ゴミ屋敷に住みついた害虫の駆除はどうするのか?

ゴミ屋敷でよく見かける害虫
ゴミ屋敷で片付け作業を始めると、いろいろな虫に出会います。なかには人間にとって害虫とされるものもいて、問題が起きる前に駆除することが先決です。代表的な害虫には次のようなものがいます。 【ゴキブリ】 害虫といえばまず思い浮かぶのがゴキブリではないでしょうか。グロテスクな姿と素早い動きで人に嫌われています。暗い場所を好み、物陰に生息するため、ゴミ屋敷は絶好の住みかになってしまいます。都会でよく見かけるチャバネゴキブリは1世代3~5か月で10日に1回のペースで卵を産むため繁殖が早く、見つけたら早めの対策が必要です。ゴキブリは人の気配がすると姿を消しますが、どこかに巣を作って潜んでいるので、根本的な対策を取るようにしましょう。 【ウジ虫・ハエ】 ハエの幼虫であるウジ虫は腐食した動植物を食べて成長します。産卵→幼虫→さなぎ→ハエのサイクルを約1週間で繰り返すため、これも繁殖は急激です。日本には約3000種のハエがいるとされていますが、病原菌の媒介をするものや、悪臭のするものなどがいるため、早めに駆除したいものです。 【蚊】 水が溜めてあると蚊が産卵してボウフラがわき、オニボウフラ(さなぎ)となってから、成虫の蚊になります。台所や風呂場の水溜まりは蚊の温床。ゴミ屋敷を作ってしまう人は、家の中の水まで神経を配ることができないと思われますが、こまめな掃除をしたいものです。 【ノミ】 家庭にいるのはヒトノミ、ネコノミが主です。ペットがいる家庭ではネコノミが繁殖しがちで、現在のところヒトノミは減少傾向にあるようです。ノミの寿命は約1か月で、産卵→幼虫→さなぎ→成虫と成長します。 【アリ】 アリは甘いものを好むので、砂糖をこぼしたり、菓子を置いたりしておくと、いつの間にかたくさん群がってきます。ゴミ屋敷には食べ残しや食べかすが多いため、格好のエサ場になります。 【正体不明の虫】 長い経験を持ったスタッフでも名前も知らない虫に出会うことがあります。昆虫図鑑や画像検索で調べても正体不明です。名前がわからない以上、害虫か益虫かもわかりません。ただゴミ屋敷で出会う虫は、見た目にも不気味な虫が多いことは確かです。注意しましょう。 なお、虫ではありませんが、ネズミをゴミ屋敷で見かけることがあります。ネズミはゴミ屋敷が大好きです。ゴミ屋敷には自分が隠れる場所があり、食べるものがあり、しかも暖かい環境があるからです。ネズミは虫と違って大きいせいか人から見て嫌悪感が強く、病原菌を媒介するので実害も深刻です。もしゴミ屋敷にネズミの姿や痕跡があれば、徹底駆除は不可欠です。害虫による具体的な被害いろいろ
害虫が及ぼす被害にはいろいろなものがありますが、人に深刻な影響を与えるものから、単なる嫌悪感をもたらすものまで千差万別です。もっとも心配されるのは疾病をもたらす病原菌を運んでくること。ゴキブリを例に取ると、次のような病原菌が媒介され、疾病を引き起こしているとされています。ゴキブリが媒介する病原菌と引き起こされる疾病
運ばれる病原菌 | 引き起こされる疾病 | |||
大腸菌 | 急性胃腸炎 尿路感染症 など | |||
サルモネラ菌 | 食中毒による腹痛、下痢、嘔吐 など | |||
赤痢菌 | 赤痢 | |||
チフス菌 | 腸チフス パラチフス | |||
小児麻痺病原体 | 小児麻痺 | |||