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ゴミ屋敷と法律・条令。行政執行される理由とは?

2017年4月25日

ゴミ屋敷と法律・条令行政執行される理由とは?

ゴミ屋敷に関する法律・条令はある?

残念ながら現時点ではゴミ屋敷を直接的に取り締まる法律はありません。取り締まりを行うとなると、今ある法律を根拠にしなければなりません。それは廃棄物処理法であったり、道路交通法であったりします。しかし、これらの法律をゴミ屋敷対策に運用するのは難しいとされています。

たとえば、ある家の前にゴミが積まれていたとします。それを違法投棄として廃棄物処理法で取り締まる、あるいは交通に支障をきたすからと道路交通法で取り締まるとします。ところがその家の住人が「これはゴミではなく財産だ」と主張すれば誰も反論できなくなります。財産だと言われれば廃棄物処理法上の不法投棄や不法投棄を目的とした収集・運搬には該当しないからです。また仮に道路交通法違反で逮捕したとしても、財産と主張している以上安易に撤去できず、結局ゴミは残ってしまったという事例もあります。新しくゴミ屋敷法ができない限りは、国が法律でゴミ屋敷を取り締まるのは難しいのが実状です。

しかし、自治体の条例となると、地域によっては注目すべきものが生まれています。ゴミ屋敷対策の条例として有名なものに、東京都足立区が2013年から施行した、足立区生活環境の保全に関する条例(通称/ゴミ屋敷条令)があります。この条例の特徴は、ゴミの撤去費用を最大100万円まで区が負担するという点です。区が撤去費用を負担するということは税金を使うということですから、納税者から異論も出たようです。「私有地のゴミを税金で片付けるのはけしからん!」という声も正論といえます。しかし、もし市役所職員がゴミを撤去するとなると、人件費でさらに多くの税金を使うことにもなりかねません。100万円を補助して民間業者に委託したほうが撤去費用を結局は安く上げることができるのです。

ゴミ屋敷を取り締まるには法的な壁がある

目の前に積まれているゴミが本当にゴミなのか、実は財産なのかは、現在施行されている法律に明記されていない以上、相対的な問題となります。裁判でも明確な線引きは難しいといえるでしょう。行政(国や市町村)が強制的にゴミを撤去するのは無理があり、法的な壁があるというべきです。

また足立区の条例のように、行政が税金を使ってゴミを撤去するという図式も国として法律を定めるにはなかなか難しい問題をはらんでいるといえます。「どうして税金で他人の家の掃除をしなくてはならないのか」という疑問が生じるからです。このあたりが解決しなければ、法律の制定は難しいのではないでしょうか。

条例がない自治体の対応方法

ゴミ屋敷条例は、自宅の敷地に大量のゴミなどを溜め込んでいる、いわゆるゴミ屋敷に対して、行政が対処するための条例です。国土交通省ではゴミ屋敷について「病害虫の発生や悪臭など、既に社会的な問題となっていたり、周辺住民から何らかの苦情等が寄せられているものなど」と定義しています。前述のようにゴミを行政が法律に基づいて強制撤去するには難しい面があり、現在は各自治体の条例に根拠を求めるしかない状態です。

では、ゴミ屋敷に関する条例のない地域に住んでいる人が、ゴミ屋敷による被害を受けている場合はどうしたらよいのでしょうか。
大事なのはまず自治体(市町村)や町内会に問題提起することです。市町村は住民の生活に対して無関心ではありえませんから、問題提起や相談を受ければ何らかの対応をしてくれるはずです。条例がないなら、ないなりの対処を期待できるはずです。

増加する行政代執行の事例

2015年11月13日、この日はゴミ屋敷問題にとって大きな転換点になりました。条例に基づいて全国で初めて行政代執行(強制撤去)が実施されたからです。
経緯を簡単に振り返ると、2009年に近隣住民からの相談で市が問題を把握し、調べたところ問題の家に住む男性が6年ほど前から自宅の前に新聞や雑誌を積み上げ、せまい私道をさらに狭くしてしまい、車イスの人が通れないほどになっていました。
市は男性にたびたび撤去を要請し、2014年11月の条例施行後は文書指導や命令も出してきました。ところが男性は「これはゴミではなく財産である、あるいは資料である」
と主張しました。市は1年間に124回男性宅を訪問し、59回の面談を実施し、健康相談も行ったそうです。
また京都市にはこの男性以外にも121世帯のゴミ屋敷が確認されました。うち52件は住人の承諾が得られ市職員が清掃し、ゴミ屋敷状態を解消しました。
しかし問題の男性宅は自主的な撤去が進みませんでした。そんな折、2015年8月に愛知県豊田市でゴミ屋敷を火元とする火災が発生し、隣家まで延焼しました。京都市はこの火災を契機に強制撤去に踏み切ることにしました。
当日は市の幹部が行政代執行の開始を宣言。男性の立ち合いのもと、市職員5名で新聞、雑誌、衣服などを搬出し、約2時間でゴミ屋敷状態を解消させました。撤去されたゴミは7.5立方メートルで、45リットルのゴミ袋に換算すると167袋分。軽トラック5~6台分あったそうです。

今後の法令はどうなっていくか

ゴミ屋敷がセルフネグレクト(自己)によるものだけではないにせよ、日本ではこれからさらに少子高齢社会となります。高齢者が増えるということは、セルフネグレクトも増え、ゴミ屋敷も増加傾向になるということだろうと思います。国が法律としてゴミ屋敷法をつくるのはまだ先になりそうですが、自治体レベルで条例が整備されてきており、今後もこの方向性で進むものと思われます。

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